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■記事

2006/04/26

「企業と市民で広げる自然エネルギー」見学会および講演会
好評のうちに終了 3月14日(火)

3月14日(火)に、自然エネルギーワーキンググループ主催で、おひさま発電所(太陽光発電所)のある保育園の見学会、講演会、参加者交流会を開催しました。

当日は雨にもかかわらず、遠くは奈良県や大阪府、福知山市などから、企業、他自治体職員、一般市民の方々など、のべ40名にご参加いただきました。

●おひさま発電所見学会

あけぼの保育園(伏見区)、春日野園(伏見区)を訪問し、太陽光発電設備や雨水タンク、環境教育に利用している川を見せていただきました。子どもたちがこれらの設備を利用していきいきと学び、遊ぶ中で、子どもたちだけでなく親や先生も、環境を大事にする気持ちや行動を自然に身につけていく様子が説明されました。


春日野園で表示盤を見る参加者のみなさん
表示盤には太陽光発電の発電量に合わせてオレンジのライトが点灯します。


あけぼの保育園の雨水タンクの前で
雨水タンクは子どもたちの環境教育に使われ、散水に利用されています。


春日野園の太陽光発電パネル
パネルの裏には出資された方々の名前が書かれています。

●講演会

京エコロジーセンターにて、長谷川公一先生(東北大学大学院文学研究科教授)に「自然エネルギーが拓く未来」というテーマで講演していただきました。企業と市民が対等の関係で連携し、自然エネルギーなどの事業を展開していくことの意義について、お話ししていただきました。

■講演テーマ:自然エネルギーが拓く未来
演者
長谷川公一氏(東北大学大学院・環境社会学)
講演要旨
京都では現在までに保育園などで8基のおひさま発電所が稼動しており、市民共同出資のおひさま発電所づくりが周辺にも広がっている。こうした取組が単発で終わることなく、地元や周辺、全国に波及していくモデルとなったことが大事であり、ひとつのビジネスモデルを生み出したとも言える。このように、市民と企業等とのコラボレーション(協働)モデルを作り出していくことが大きな鍵になっている。
市民共同発電所の取組は、日本の市民がどのくらい力を持ってきたかを表す端的な事例である。これまでに北海道、青森、秋田で計5基の市民風車(市民が共同で出資して建設された風力発電所)が稼動しており、これに加えて本年新たに青森、秋田、茨城、千葉で5基の市民風車の建設が始まっている。この新規の市民風車事業についても、全国から多くの出資が寄せられ、約2ヶ月程度で総額8億6000万円が集まった。市民出資は「原発ではない、安全な方法で生み出される電力がほしい」などといった社会的メッセージとしての投資である。また、若干の配当とともに環境にも貢献できればうれしいという市民の思いも背景にある。
市民風車の取組の中でも、第1号機となった「はまかぜちゃん」は、当時の(株)トーメンパワージャパン(現(株)ユーラスエナジージャパン)が建設を計画していた風車4基分のうち1基を譲る、メンテナンスなどにも協力する、という市民と企業とのコラボレーションの形になった。(株)トーメンパワージャパンとしては風力発電事業を進めることが、単に企業利益だけを求めるものだと思われたくない。風車1基分を市民側に譲ることで、自分たちの風力発電事業に対する姿勢を市民側や地元側に理解してほしいという思いがあったのではないだろうか。
このように企業と市民が対等の関係でコラボレーションによって事業を展開していくことの意義は大きい。企業は市民と連携する中で、自分たちのシーズ(企業が持っている技術、材料)と、それにマッチするニーズ(市民が必要としていること)を把握できる。また、CSR(企業の社会的責任)として、環境問題に市民とともに取り組むという企業姿勢やイメージをアピールすることにもつながる。大阪ガス(株)などでは社員教育や労働意欲の低下を防ぐために、従業員が NPOと積極的に関わることを奨励している。今後は、企業自身が活力をもって生き残っていくためにも、市民のエネルギーをいかに取り込み、連携していくことができるかが課題である。
(記録 自然エネルギーWG 豊田陽介)

●参加者交流会

京エコロジーセンターで行った参加者交流会には20名以上の方々がご参加くださり、自己紹介や意見交換を、和やかな雰囲気の中で行うことができました。


参加者からは、「見学会では実際に現場を見て、現場の生の声を聞けて良かった。施設そのものに血が通っていると感じた」「講演を聞き、市民と企業が連携して事業を行っていく必要性が理解できた」といったような感想をいただき、好評のうちに終えることができました。

ご参加くださった皆さん、お忙しい中見学させてくださった保育園の皆さん、長谷川先生に御礼申し上げます。どうもありがとうございました。