●当フォーラムの紹介

当フォーラムは京都市を拠点とし、さまざまな主体のパートナーシップで持続可能な社会の実現を目指す組織です。

●ワーキンググループ

当フォーラムでは、ワーキンググループ(WG)という名の分科会を複数設け、さまざまな取組を行っています。

●情報倉庫

当フォーラムの活動紹介をはじめ、京都市を中心とした、さまざまな環境情報を発信する広報活動を行っています。

■記事

2006/10/25

KES認証取得企業の声 有限会社村田堂

(有)村田堂は、明治22年創業の、京都の学生服専門店です。「京都で仕事をするにはKESを認証取得しなければ恰好がつかない」と思い、KESを認証取得しました(笑)。

KESの取組としては、学校での環境教育、電気使用量の削減、仕入先・販売先に対して環境に配慮した製品の製造やリサイクルを提案するといった活動を行っています。中でも環境教育は、KESを認証取得する前からずっと取り組んできました。

現在、廃棄されたほとんどの繊維は焼却・埋め立て処分されています。自分たちが売った服を燃やさず、何とかリサイクルできないかと考え、リサイクルの出口さがしをするために、研究会に入ったこともありました。そこで分かったことは、残念ながら繊維リサイクルの現状は、非常に難しいものだということでした。そこで自分の役割は市民に意識を変えてもらい、実際にリサイクルをすすめていくことだと考え、京エコロジーセンターの環境学習講座を受けたのが、環境教育に関わるきっかけでした。

それ以来、学生服の販売という事業を生かし、服を通じた人づくり、「服育(ふくいく)」を実践してきました。例えば中学校や高校で、「服の一生」「服と印象」といったテーマで子どもたちに授業をしています。食育、服育といった様々な教育がありますが、全て人をつくるための手法、人間教育の一環です(詳しい活動内容については、上記HPをご覧ください)。

今年度は、フォーラムの企業活動ワーキンググループなどが中心になって立ち上げた「事業所の地域社会貢献事業モデルづくりプロジェクトチーム(K-CSR 推進プロジェクトチーム)」のリーダーも務めることになりました。このプロジェクトでは、それぞれの地域で、学校と企業、地域住民が膝をつき合わせて、その地域ならではの環境問題への取組をすすめていけるような仕組みづくりを目指しています。京都の学校は、もともと町衆がつくったのがルーツだそうです。「子どもをその地域で育てる」という発想なんですね。私も地域での企業、学校の連携の仕組みが必要だと思っていましたが、そういった仕組みをつくるのは非常に難しいことだと思っていました。しかし今回プロジェクトチームが立ち上がることになり、中心になって動く人が必要だという話が事務局からあり、リーダーを引き受けさせていただくことになりました。私は自営業ですが、経営者は他に誰も頼る人がいないので、ポジティブに考えて夢を持って実践していかなければ、何もできないんです。

すぐには無理でも、これから10年、20年かけて、京都を服育のまち、環境都市として誇れるようなまちにしていきたいと考えています。

(長屋博久さん)



「服育」発表会で(有)村田堂の環境問題への取組を紹介する長屋さん