■記事
2008/09/30
京都環境コミュニティ活動(KESC)
環境保全型の森づくり活動を開始
京都環境コミュニティ活動(KESC)プロジェクト 水源の森づくりチーム 活動報告
京都環境コミュニティ活動(KESC)プロジェクトのチームの一つ、「水源の森づくりチーム」が、今年8月から環境保全型の森づくり活動を開始しました。
■ 水源の森づくりチームの活動
水源の森づくりチームでは、京都市産業観光局農林振興室林業振興課の協力の下、京都市の市有林「合併記念の森」(右京区京北)で、環境保全型の森づくり活動を行い、チーム員(事業者)の森林保全活動の技術の向上を目指すこととなりました。
放置人工林を間伐して林内に光を入れて下草を生やし、生態系の保たれた森に戻していきたいと考えています。間伐した材は有効活用し、来年2月頃には市内の学校等で、森林保全に関する環境学習を行う予定です。
■ 第1回目の森林保全活動を実施 2008年8月27日
「合併記念の森」は、20年ほど前にゴルフ場にする計画がありましたが、事業主体である民間会社の経営難により、結局開発されずに残された森林です。大半はアカマツと、スギ・ヒノキの人工林です。京都府レッドデータブックに記載されている希少な昆虫や植物などが棲息する貴重な場所です。この森の中に、雪害により幹が途中で折れるなどした放置人工林があり、今回はそこで間伐作業を行いました。
- <参加者>
- 12名 林業振興課から2名同席、スタッフ3名、事業者担当者7名、事業者名は以下のとおり。
日本電気化学(株)、月桂冠(株)、(株)エスケーエレクトロニクス、三幸総研(株)、(株)京都テクニカ、(有)村田堂 - <講 師>
- 勝山俊治氏(京北森林組合 代表理事常務)
北山就乙氏(京北森林組合) - ● 京北の林業について
(第1回目の森林保全活動参加者)
午前中は、京北森林組合の勝山さんから京北の林業に関するお話をしていただきました。これまでの歴史や深刻な経営状況について理解を深めました。
(勝山さんの話「地元産材活用で林業振興、環境保全を」)
街の人が京北の森林に興味を持ってくれるのは非常に嬉しい。旧京北町では面積2万1千haのうち、2万haが森林。人工林率は47%。桂川とつながっており、かつては筏で木材を京都の街中に運んでいた。北山杉の名で売られている京北のスギは、非常に良質で、かつては高い値段で取引されていた。しかし国産材の需要の低下に伴い、材木が売れなくなり、放置人工林が増えてしまった。そのため、動物による被害が出るようになった。もともと動物はあまりスギやヒノキの苗木を食べなかったが、他のえさがないために、食べるようになった。木材が売れないことや動物による被害のため、林業家はやる気をなくしている。街の人とも意見交換しながら、林業再生策の方向性を検討していきたい。
- ● いよいよ間伐実習
午後からは、いよいよ初めての間伐実習です。京北森林組合の北山さんに、分かりやすく間伐指導をしていただきました。参加者は北山さんの指導のもと、ノコギリで、各自1本ずつ、雪害でヒョロヒョロになったスギを間伐しました。なかなか体力のいる作業でした。
(「合併記念の森」の放置人工林)
(左:間伐実習の様子 右:間伐実習後の林内)
この日は計20本程度のスギを切りました。間伐した空間に光が入り、そこだけポッカリと明るくなりました。いずれ下草が生い茂り、生きものも戻ってくるでしょう。僅かな空間ですが、生態系復元を目指した「水源の森づくりチーム」による森林保全活動の第一歩となりました。
■ 参加事業者を募集中!!
今後も継続して森林保全活動や学校での森の大切さを伝える環境学習を行っていく予定です。関心のある方は、お気軽にフォーラム事務所までご連絡ください。