●当フォーラムの紹介

当フォーラムは京都市を拠点とし、さまざまな主体のパートナーシップで持続可能な社会の実現を目指す組織です。

●ワーキンググループ

当フォーラムでは、ワーキンググループ(WG)という名の分科会を複数設け、さまざまな取組を行っています。

●情報倉庫

当フォーラムの活動紹介をはじめ、京都市を中心とした、さまざまな環境情報を発信する広報活動を行っています。

■旧メールニュース(各号)

 本日、エコ市民が集い、環境を大切にする暮らしづくり、地域づくり、事業活動
づくりを、みんなでいっしょに語り合い、学ぶための「環境まちづくり交流会2002
第1部」が行われました。内容の詳細については改めて報告しますが、本日は速報
をお送りします。
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環境まちづくり交流会 2002
京(みやこ)エコロジーセンターから広げようエコ市民の輪
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【日時】2002年6月29日(土)30日(日)
【会場】京エコロジーセンター(京都市伏見区深草池ノ内町13)
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<基調講演>
 テーマ「地域循環市民社会をめざして~名古屋市のごみ減量の挑戦」
 講師 萩原喜之氏(特定非営利活動法人中部リサイクル運動市民の会理事長)
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 1999年に「ごみ非常事態宣言」を出した名古屋市の経験を聞きました。名古屋市
がわずか2年で20%のごみ減量を達成できたのは、明確な数値目標と、志(こころ
ざし)を持った「志民」の行動があったから、という言葉が印象的でした。
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分科会報告
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◆分科会1「食と農の循環~生ごみ堆肥で豊かなコミュニティづくり」
 フレッシュハーブで煎れたハーブティを飲みながら、和気藹々として雰囲気で議
論が進みました。そのハーブは、生ごみから作った堆肥で育てたものです。

 生ごみの堆肥化というのは、頭ではよいと分かっていても、腐ったり使ってくれ
るところが見つからなかったりして、なかなか実現しにくいものです。会場でも、
実際に取り組んでいる・取り組もうとしている人から、農家、行政、家庭のそれぞ
れの取組について、いま現実に直面している問題が提起されました。

 そのような状況のなかで誰がこれを進めるのか。行政にとっても、市民が協力し
てくれないだろうということで後回しにされてしまいがちなものです。それなら市
民サイドからやると言って広げていきたい、そんな思いから、新しく京のアジェン
ダ21フォーラムにおいて「食の循環」ワーキンググループを発足して取り組んでい
くことを確認しました。

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◆分科会2「コミュニティに自然エネルギーを取り入れる
                   ~みんなでつくろう!おひさま発電所」

 京都に、市民共同ソーラー発電所を普及させるためにどうしたらいいかについて
話し合いました。市内2箇所の「法然院森のセンター」「醍醐あけぼの保育園」の
報告を聞き、両施設とも、単に電気の作り方が変わるということだけでなく、環境
教育やコミュニティ作り、人づくりに影響する事例を聞きました。

 子供達が分かるように発電量をチューリップの数で見せる工夫や、意識の変わっ
た子供が今度はお母さんに生活のなかで出来る環境配慮を教えていくエピソードな
ど元気の出る事例を聞くことが出来ました。そして2つの発電所の実現には「きょ
うとグリーンファンド」の支援があったこと、さらにその先にはグリーンファンド
の全国ネットワークの情報提供があったこと、そういった交流のなかで実現してい
くということを大切にしながら今後の取組を進めていきたいものです。

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◆分科会3「里山を守る、いかす~大原野森林公園を事例に」

 大原野森林公園を対象にどうしていくか具体的に話し合いました。市民ボランテ
ィアが里山管理にどう参加出来るか、そこで木質バイオマスという形で森林資源を
有効利用出来ないか、市民の里山利用と地域復興の一挙両得を狙いたい、そして京
都だけでなく、近隣の高槻、乙訓3町、島本との連携に話は及びます。

 昔の山仕事の体験談として、75kgのものを扱うきつい労働、目の前で人が亡くな
るハードな経験、戦中の混乱期に近隣の山がはげ山になったことなど、いまでは考
えられないような貴重なお話も聞きました。そして、現在の森林インストラクター
の事例をお聞きしながら、安全性への配慮やボランティアの関わり方といったこと
を考えました。

 高槻の事例から間伐材のペレットストーブへの利用の提案を受け、京都でもこれ
を使いたい、そして新しい里山再生モデル公園を作りたい、高槻とも連携しようと
話は盛り上がりました。

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◆分科会4「自転車を活かす京のまちづくり
              ~エコ交通の中の自転車活用システムをめざして」

 自転車をもっと使える社会にするための取組みとして、2種類のレンタサイクル
の事例を元に考えました。

 観光型のレンタサイクルとして、借りたところに返すという従来の方式から複数
の業者が協力して乗り捨てが可能なマルチプラットレンタサイクルに取り組んでい
る奈良の事例では、利用者にはたいへん好評だが、業者にとっては自分のところの
所有の自転車がどこにあるか分からないという声があること、バスチケットとのタ
イアップの工夫等で広がっていることをお聞きし、全体としては観光型のレンタサ
イクルは有望であるとのことでした。

 もうひとつは普段使いの自転車を共有し、放置自転車や駐輪場不足に対応する、
都市型のレンタサイクルです。阪神地区の実験結果を元に、料金はどうなるか、自
分の自転車でなくなっても自転車を大事にしていけるのかといったことを議論しま
した。また京都は大学のまちなので、駅までの通勤者と駅から大学への通学者の共
有という可能性があるのかといった提案も出ました。さらに、京都で都市型レンタ
サイクルを考えるとしたら、安いとか便利だということだけでなく、京都に相応し
い文化性・スタイルを提案し、そういった観点のアピールをしていきたいものです。

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◆分科会5「京都市のごみ減量ビジョンを考えよう
                ~容器包装ごみリサイクル全面実施にむけて」

 ごみ問題の解決のためには、まずゴミの分別の考え方を確認しなければならなり
ません。ご存知の通り京都市ではカン・ビン・ペットの混合回収、燃えるゴミと燃
えないゴミは分別しないという方法をとっているわけですが、これはどのような考
え方に基づいているか京都市のご担当の方から説明を聞き、容器リサイクル法との
関係で変えなければならない点、聖護院地区の実験結果なども踏まえて、今後の方
向について考えました。

 また、興味深い指摘として、このような会場に来る意識の高い人々だけでなく、
もっと一般の人々に広げなければならない、特に、マンション住民など自治会との
関係が希薄で定住性の低い人々で、ごみ出しのルールなどの情報が行き届かない層
が相当多数いることの紹介があり、普及啓発活動や行政組織のあり方などに議論は
及びました。

 ごみ減量を考えたときに、リサイクルではなく発生抑制を目指すこと、そのため
にどういう地域、どういうまちを目指すのかが課題になってきます。

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◆分科会6「進めよう企業の環境活動
         ~広がるKES・環境マネジメントシステム・スタンダード」

 京都版ISO14000シリーズとの異名を持つKESについて、この1年の状況を聞き、
その後取得企業2社の担当者からの報告を聞きました。京都ホテルの事例では、な
んと石鹸の中をくり抜いて減量し、京南電装では冷・庫は夏だけ電源を入れるとい
うあらわざで電気使用量の大幅削減に成功しました。環境対策はコスト削減効果も
魅力です。本部や得意先から求められたからだけではない、我慢大会でもない、や
っている自分達が楽しんで、自分達のためになる取組をこれからも続けて欲しいも
のです。

 KESは現在までに 129社が認証取得しており、50人以下の企業が過半数を占め
ています。中小企業のための環境マネジメントシステムとして有効に機能しており、
わたしたちの予想を超えて、日本中で注目されています。

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◆分科会7「雨水利用のまちづくり~まちに無数のミニダムをつくろう」

 世界水フォーラムとの関係で、今年注目株の雨水利用。水道使用量の削減、都市
型洪水やヒートアイランド化の防止、防災用水としての雨水利用をどう進めるか、
話し合いました。東京都墨田区の事例からは、住民が水と親しむ効果や、オーガニ
ック農場への供給水など、新しい利用の仕方と効果を学びました。岸和田市の事例
では、中学校に雨水タンクを設置し、環境教育と水道使用量の削減の効果があるそ
うです。会場からは、酸性雨の影響や、下水道との関係、料金やメンテナンス関係、
水質と用途の関係など、すぐにでも実行しようとする人々の質問が続きました。

 京都でも、まずは全小学校に雨水タンクを設置し、琵琶湖に負荷をかけない生活
をしたいものです。

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 各分科会は、京都で環境活動に携わる様々な団体や個人が協働で企画しました。
分科会毎に、30~60人の市民が参加し、活発な討論が交わされました。7つの分科
会の参加者が集まるとすごい人数です。これだけの市民が、お金になるわけでもな
いこんな集まりに時間を割いてやってくるということは、時代の変化を感じないわ
けにはいきません。
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環境まちづくり交流会2002 速報    文責/西本 裕美 (CZY00347@nifty.ne.jp)
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 環境まちづくり交流会は、明日のエコツアー「伏見水紀行」プログラムへと続き
ます。会議で頭を使った後は、観て触れて飲んで、自然を感じましょう。

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