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■記事

2007/12/25


【好評連載】小山直美のドイツ報告
第7回 ドイツの人々の暮らし ごみ減量と省エネルギー


2007年4月下旬から5月下旬までの1か月間、私がボランティアで関わっている日本熊森協会から、国際ロータリー第2680地区(兵庫県)のGSE(Group Study Exchange)プログラムで、ドイツ南西部シュトゥットガルト近郊に、環境研修に行かせていただきました。

今回は、ドイツの人々の環境に配慮した暮らしについてご紹介させていただきます。

■使い捨て容器がない

滞在中の1か月間、殆ど、使い捨ての紙コップ、紙皿を見ませんでした。屋外に大人数でハイキングに行くようなときでも、人々は陶器やガラスの器を持って行きます。

また飲料容器には、リユース瓶(何度も洗って使用できる瓶)がよく使われていました。森の中にある売店でも、出てくるのはガラス瓶に入った飲料でした。何度もリユースされ、瓶に貼られたラベルが古くなっているものもありますが、そのような瓶も、また飲料を詰め、普通に売られます。しかし残念なことに、ドイツでも、一度しか使えない容器の割合が、ミネラルウォーター、ジュース・飲料水で増える傾向にあるそうです。私が訪問したEnsingerというミネラルウォーターの製造販売会社では、2004年には、使用する容器の割合が、一度しか使えないペットボトルが45%、リユース瓶が55%だったそうです。せっかくリユース瓶使用の習慣が根付いているドイツには、リユース瓶の使用を継続していただきたいです。

■省エネルギーを徹底

ドイツでは、家庭でも会社でも省エネルギーが徹底されていました。何度か企業訪問をしましたが、お客さんが来ていても、昼間であれば多少暗くても電気を付けないことがしばしばありました。またどんなに裕福な家庭でも、日本のように煌々と明かりを付けることがなく、少し暗めですが、間接照明を上手く使って、おしゃれに過ごしておられました。レストランで昼間に電気を付けて食事をしていると店員さんがやって来て、「これだけ明るかったら電気は要らない」と言って、電気を消して行くようなこともありました。

■洗濯は週1回

3人、4人家族でも、「子や孫の代まで、ちゃんと水があるかどうか分からない」と言って、洗濯は週1回まとめてする、といった家庭が多くありました。

■お土産はエコバッグで

企業やNGOの見学先では、殆どの場合、資料やお土産を、使い捨てではない布製のエコバッグに入れて下さいました。


もちろんドイツも完全ではなく、「ドイツ人は自他共に認める車好き」だそうで、ホストファミリーの方々も、好んで車に乗っておられました。またレストランで出される食事の量が多く、ドイツ人でも食べきれないことがよくありました。

しかし、総じてドイツでは日本に比べ、日常生活で普通の市民が環境に配慮した生活をしていると感じました。何人かのホストファミリーの方々は、「ドイツでは人口密度が高いから、資源を大切にして持続可能な社会にしなければならない」と話しておられました。ドイツの人口密度は233人/平方キロです。これに対し、日本の人口密度は343人/平方キロで、ドイツよりも更に人口密度が高い日本は、そろそろ本気で社会を持続可能なものに変えていく仕組みづくりが必要だと思いました。


ドイツでは、ファーストフード店でも使い捨て容器を使わない(マクドナルド等の米国系企業をのぞく)


訪問先の企業にて 日中であれば電気は付けない。ここでもリユース瓶に入った飲料が登場

(小山直美)