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■記事

2008/01/31


【好評連載】小山直美のドイツ報告
第8回 人々の暮らし まちづくりと自然エネルギー


昨年4月下旬から5月下旬までの1か月間、私がボランティアで関わっている日本熊森協会から、国際ロータリー第2680地区(兵庫県)の GSE(Group Study Exchange)プログラムで、ドイツ南西部シュトゥットガルト近郊に、環境研修に行かせていただきました。

今回は、ドイツでのまちづくりと自然エネルギーについて、ご紹介させていただきます。

■伝統的な街並みを大切にする人々

私が訪問した地域は、まるでおとぎ話に出てくるような街並みのところが多かったです。教会を中心に、伝統的な赤い屋根の可愛らしい家が立ち並ぶ、美しいまちでした。

訪問した4つの市(Bietigheim、Ludwigsburg、Heilbronn、Crailsheim)は、第二次世界大戦中に、空爆で街の殆どが破壊されたそうです。それを、程度の差はありますが、元の形に復元したのだそうです。そこに暮らす人々からは、自分のまちに愛着を持ち、古いものを大切にしようという思いが感じられました。その土地の良いものをいつまでも残していこうとする姿勢は、京都のまちづくりでも、参考にしたいものです。

■歩行者天国で賑わう街

訪問した地域の中には、歩行者天国にしている場所がいくつかありました。Heilbronnでは、都心の商業地の一部の道路を、車の進入を禁止し、歩行者、自転車、バスやトラムだけを通行可能にしていました。市役所前の広場はマーケットになっており、買い物客で活気付いていました。夏が短いためか、ドイツの人々は日光浴が好きで、カフェテラスで食事をすることが多いです。歩行者天国だからこそ、外でも排気ガスの臭いが気にならず、気持ちよく食事を楽しむことできます。

京都では、車の乗り入れを規制すると言うと、お店が「お客さんが減る」と言って反対する場合があります。しかしドイツでの歩行者天国の賑わいを見ていると、歩行者中心の街にすることで、むしろお店の売り上げは増えることが期待できると思います。ぜひ、京都の四条通りなどでも、歩行者天国を実現したいです。

■自然エネルギー

ドイツでは太陽光や風力などの自然エネルギーの利用が進んでいます。車で移動する際も、厩舎や家屋などの屋根の上に設置された太陽光発電パネルや、広大な平原に建てられた風力発電機がよく目に留まりました。

電車や船のタービン、風力発電機を造っている会社、VOITH社を見学しました。職員の方によると、ドイツでは国民が使う電気の量は既に十分確保されているため、これ以上風力発電機が設置されることはないそうです。現在ドイツで利用されている発電機が20年くらい経ち、老朽化しているので、今後はメンテナンスや建て替えが増えるだろう、とのことでした。

日本では、しばしば野生動物の生息地、市民の水源地である山の上や尾根沿いに風力発電機が設置されるため、風力発電を増やすことには賛否両論があります。ドイツでも、野生動物保護や景観上、反対意見も少なくないそうです。地球温暖化、動物との共存、水の問題など、様々な角度から見て判断する必要があると思いました。


Heilbronnの市役所前のマーケット
(前の道路は歩行者天国)

(小山直美)