●当フォーラムの紹介

当フォーラムは京都市を拠点とし、さまざまな主体のパートナーシップで持続可能な社会の実現を目指す組織です。

●ワーキンググループ

当フォーラムでは、ワーキンググループ(WG)という名の分科会を複数設け、さまざまな取組を行っています。

●情報倉庫

当フォーラムの活動紹介をはじめ、京都市を中心とした、さまざまな環境情報を発信する広報活動を行っています。

■記事

2009/02/07

■フォーラム設立10周年記念特集
1月16日 記念シンポジウム&会員交流会“サロンdeエコ”

フォーラム設立10周年の記念シンポジウムは、250名の参加を得て、熱い空気をはらんだ今後に続くフォーラムの発展を予感させる盛会となりました。今月号の『月刊あじぇんだ』では、記念シンポジウムと、その後の会員交流会の様子を特集号でお伝えします。

■ご挨拶

京のアジェンダ21フォーラム設立10周年記念事業の開催にあたり、記念シンポジウムならびに会員交流会「サロンdeエコ」に多数のご参加を賜り厚くお礼申し上げます。

当フォーラムではここ数年、活動への事業者のご参加が増えています。記念事業開催当日は、KES・環境マネジメントシステム・スタンダードを取得するなど日頃から環境保全活動に取組んでおられる企業の環境担当者の皆様にお越しいただき嬉しく思っております。また、市民団体からご参加くださった方々には、久しぶりにお顔を拝見する方も多くあり、懐かしい一時を過ごすことが出来ました。

シンポジウムは、京都の未来を描くという、少し壮大な題目を設定しましたが、パネリストの皆様からは今後のフォーラム活動のヒントになるご発言を多数いただきました。たとえば、「京都らしい未来の姿を描くことが重要である」「環境対策を行っている事業者へのインセンティブのあり方を考える」などは、私たちが活動を進めるに際して、配慮すべきキーワードではないでしょうか。

また、会員交流会では、地産地消の食材やごみ減量に配慮したリユース容器飲料などを利用したフォーラムならではの交流会を開催し、エコ商品の「見える化」をして会員の皆様へアピールさせていただきました。

これからの10年に向けて新たなスタートを切ったフォーラムへ、会員の皆様の引き続きのご支援と、活動へのご参加をよろしくお願い申し上げます。

(事務局長 西本雅則)

■京のアジェンダ21フォーラム設立10周年記念シンポジウム
  私たちの未来を描く ~京都が変われば日本が変わる~

会場の京都商工会議所講堂は250名の参加で一杯となり、シンポジウムは大成功でした。
シンポジウムの始まりとして、3名の方から言葉をいただきました。

●内藤 正明 フォーラム代表

内藤 正明 フォーラム代表

フォーラムが何に取り組むべきかが明確になっていない設立当時、まさに手探りで活動をスタートしてから10年間が過ぎましたが、よくここまで活動を続けることができたと思います。一貫した取組の結果、いくつかの成果も生まれています。とはいえ、温室効果ガスの排出削減量を見ても、京都で2010年-10%の目標達成はまず無理でしょう。しかし、言葉は悪いですが、今の状況こそが、持続可能な社会をどうやってつくっていけるのだろうかということで、かえって人々の注目がフォーラムに集まる状況をつくっているといえます。設立10周年を迎えて、フォーラムは、大々的に再スタートする決心で活動を進めていきたいと思います。

●大島 仁 京都市地球環境政策監

大島 仁 京都市地球環境政策監

フォーラムというパートナーシップの場で、市民・事業者・行政が10年間仲違いせず活動してきました。京都市は今日まで、市民や事業者の方々とともに、何を展望し何の行動を起こすか考え実績を積み上げながらここまで来ることができたと感謝しています。さまざまな立場の主体が集まって構成する活動組織として、全国的にみても先頭を走ってきたといえるフォーラムに、これからもパートナーシップでの取組の発展を期待します。コペンハーゲンで今年開催されるCOP15を控えて、本日、京都市は、駐日デンマーク大使の表敬訪問を受けましたが、京都に対する世界の注目は大きいとあらためて感じています。

●北富 洋二 京都商工会議所理事・産業振興部長

北富 洋二 京都商工会議所理事・産業振興部長

フォーラムには設立時から参画してきました。われわれ事業者との関連でいえば、フォーラムにはKES・環境マネジメントシステム・スタンダードという、京都発で今や全国に大きく広がった取組があり、われわれはこのことを誇りに思っています。現在、京都商工会議所では、地球温暖化などへの事業者としての対応を広げるべく、事業所向け環境家計簿の取組を行っています。このような、たくさんの事業者を巻き込んた取組を推進してくために、フォーラムというパートナーシップ組織の存在はきわめて重要だと考えています。京都商工会議所としても、今後とも積極的にフォーラムの活動に参加していきたいと考えています。

【映像報告「京のアジェンダ21フォーラム 10年の歩み」】
小幡範雄フォーラム幹事長より、映像を用いて、設立時の熱気、立ち上がった各種の事業、そして新たなステージを迎えるフォーラムの現在について報告がありました。映像では、活動に参加した方々が次々と登場し、歴史の振り返りと今後への思いを込めたメッセージを伝えました。



小幡幹事長が手にしているのはフォーラムがその実現を目指す『京のアジェンダ21』の冊子です。
なお、上映した映像は、当日ご参加いただけなかった方にも何らかのかたちで見ていただけるようにしたいと考えています。

■京のアジェンダ21フォーラム設立10周年記念シンポジウム
  パネルディスカッション 私たちの未来を描く ~京都が変われば日本が変わる~

シンポジウムの後半は、パネルディスカッション「私たちの未来を描く ~京都が変われば日本が変わる~」を行いました。フォーラム内外の5名のパネリストから、フォーラムへの期待のこもった自由闊達な発言が展開されました。

●将来の社会の姿とは?
京都が率先して社会全体の構造転換を!

ディスカッションはまず、杦本コーディネーターの「行き詰まりを見せている今の社会に必要なものは変革が起こった社会の将来像ですが、ポイントはどこにあるでしょう?」という誘導から始まりました。

「フォーラムでは、活動がスタートした10年前から社会の根底からの変革が必要という認識が共有されていました。やはり、〈京都が変われば日本が変わる、日本が変われば世界が変わる〉でしょう」「京都市は、今年度、政府の『環境モデル都市』に応募した経験から、ひとつの財産を得ました。応募は京都市にとってゴールではなくスタートです。〈交通〉〈木の文化〉〈ライフスタイル〉の3分野を切り口にフォーラムの力も借りつつ、再び全国の先頭に立ちたいです」といった思いが述べられました。

加藤三郎さんから「持続可能な社会のために、経済を軸とした社会構造から転換させたい。『環境文明』という言葉で社会全体のあり方を表現する言葉として考えたい」と、また、上村多恵子さんから「環境に取り組む沢山の京都の企業と連携するためにも、動きを起こすのに鍵となるインセンティブ(動機付け)を具体的につくっていくことが重要でしょう」と発言があり、パネリストの発言がストーリーのある議論をつくっていきます。


東京からお招きした加藤三郎さん


京都経済同友会の上村多恵子さん

●社会構造転換に向けてすべきことは?
経済活動を含めた新しい都市モデルをつくろう!

杦本コーディネーターの次の問いかけは「新しい社会をつくっていくために、われわれはどうすべきでしょうか?」でした。

「パートナーシップが重要なキーワードです。フォーラムの役割は〈つなげる〉ことにあるでしょう。未来と現実をつなげる、活動成果と総合的な政策をつなげる、NGO、事業者、行政、そして地域組織など、いろいろなセクターをつなげる、の3つを期待します」「よその地域を知って京都を見る視点が大事です。京都は、滋賀県のような自然共生とも国のいう先端技術とも違う独自の将来像を市民と語り合ってつくっていかなければならないでしょう」という発言がありました。

続いて、加藤さんから「『環境文明』の思想を据えながら社会の再構築を実現しなければなりません。効果の〈見える化〉が、事業者をはじめととした各主体のやる気を引き出すと思います」と提起があり、さらに上村さんから「日本の伝統ともいえる〈足るを知る〉を取り入れて、われわれの生き方や都市経営のモデルを作り直したい」と、持続可能な京都をつくる環境まちづくりの領域が重要だと指摘がありました。

杦本コーディネーターから、ドイツのメルケル首相の〈環境と経済を戦略化する〉という言葉をひきながら、京都においては持続可能な都市の姿として、量的拡大ではなく質的に高める・深める経済の姿を追求していきたいと意見交換の集約があり、また、「パートナーシップを具体化するとき、市民、事業者、行政が三者三様に考えて行動し、また我慢もしてきたフォーラムの進め方と、京都市も活用していきたい。また、金銭的動機ではなく人を動かす仕組みづくりや、じわじわとした意見調整の場づくりが行政のテーマでしょうか」と行政の思いも述べられました。

●フォーラムを通じて実現したいことは?
パートナーシップと交流で京都発のうねりを!

ここに書ききれないほどの発言を受けて、杦本コーディネーターがディスカッションの締めくくりに、各パネリストに対し今一度フォーラムを通じて実現したいことを求めました。

「環境対策はコストではなく未来への投資という考え方を広げたい。そして、インセンティブの工夫をこらして、事業者の動きをつくっていきたい」「炭素料金制度などの具体化も進めたいところです。経済と環境の領域で、京都経済同友会との連携をぜひ深めたい」「京都は文化もまちも多様で、それゆえ将来像をつくりにくい面もあるが、工夫次第で京都の未来を展望できるはず」「今、京都市は本気です。環境教育に力を入れていますが、未来を担う子供たちの影響力に期待しています」「京都には千年の〈文化力〉を発揮してもらいたい。東京と交互に交流する機会をつくりましょう」

フォーラムの目指すことは、将来の持続可能な社会の姿を展望し、そこへ向けてパートナーシップで進んでいくこと、という太い軸を会場全体で共有したパネルディスカッションとなりました。

 
コーディネーター
杦本育生 フォーラム副幹事長/NPO法人環境市民代表理事/グリーン購入ネットワーク代表理事
パネリスト
上村多恵子 京都経済同友会常任幹事/京南倉庫(株)代表取締役社長
加藤 三郎 NPO法人環境文明21共同代表/(株)環境文明研究所代表取締役社長
内藤 正明 フォーラム代表/京都大学名誉教授/NPO法人循環共生社会システム研究所代表理事/佛教大学社会学部教授
大島 仁 フォーラム副幹事長/京都市地球環境政策監
田浦 健朗 フォーラム幹事/NPO法人気候ネットワーク事務局長
(敬称略)

■1月16日 京のアジェンダ21フォーラム設立10周年記念
  会員交流会「サロンdeエコ」

記念シンポジウムに続いて開催された会員交流会「サロンdeエコ」は150名の参加で大盛況となりました。活動報告のプレゼンテーションや、パネル展示と説明、参加者同士の意見交換など、充実した会合となりました。

また、リユース瓶の飲料や地産地消の食材の料理をリユース食器で提供するなど、環境に配慮した交流会のスタイルを体験していただきました。

 

●活動報告や交流の様子


内藤正明フォーラム代表(左)と高月紘京エコロジーセンター館長・京都市ごみ減量推進会議会長