●当フォーラムの紹介

当フォーラムは京都市を拠点とし、さまざまな主体のパートナーシップで持続可能な社会の実現を目指す組織です。

●ワーキンググループ

当フォーラムでは、ワーキンググループ(WG)という名の分科会を複数設け、さまざまな取組を行っています。

●情報倉庫

当フォーラムの活動紹介をはじめ、京都市を中心とした、さまざまな環境情報を発信する広報活動を行っています。

■エコミュージアムワーキンググループの動き

エコミュージアムワーキンググループは大原野森林公園を、ひとつの大きな博物館と見たてて、そこに息づく自然や、残された里山の文化を保存し、訪れる人々に開示する活動を行っています。

2006/04/13 大原野森林公園自然観察ガイドマップ完成

大原野森林公園の魅力的な動植物などの自然を紹介する『大原野森林公園自然観察ガイドマップ』が3月に完成しました。このガイドマップは、公園の利活用に役立てることを目的に、大原野森林公園運営管理協会が発行しました。公園周辺で活動する自然保護団体の方々の資料提供をもとに、立命館大学景観計画研究室が原案を制作し、当フォーラムエコミュージアムWGが編集しました。

ガイドマップの内容としては、その季節に楽しめる植物、昆虫などがひと目でわかるように、写真を豊富に掲載し、春、夏、秋の季節別にまとめました。また、足場が悪いので登山靴を履くなど、安全のための心構えをまとめるとともに、じっくり見ながら歩くといった、この公園を楽しむコツを「森の案内人(※)のとっておき」として掲載し、初めて公園に来られた方も、安全で楽しく公園を散策していただけるようにしました。

なおこのガイドマップ作成にあたり、財団法人京都オムロン地域協力基金からご支援をいただきました。

※森の案内人:大原野森林公園で活躍する「人と自然の橋渡し」役。散策コース上で動植物など見所の案内や、来園者へのマナー啓発などを行っています。

■『大原野森林公園自然観察ガイドマップ』の仕様

A3両面カラー
蛇腹二ツ折
再生コート紙
春・夏・秋の3種類
部数:各1000部
配布方法:下記配布場所で無料配布
配布場所:
大原野森林公園森の案内所(京都市西京区大原野石作町1754)
お問合せ先:フォーラム事務所

●木質バイオマス実験事業 終了後の方向性

京都議定書発効の前日である2月15日に、最後の大原野森林公園バイオマス事業化検討委員会を開き、公園にログウッドボイラー(丸太をそのまま燃やせるボイラー)を導入していく可能性などを議論しました。委員のほかに20名近い傍聴者があり、大変盛況で活発な意見が交わされました。

ボイラーを導入しても、コストの割にはCO2の直接的な削減効果は少ないですが、公園に関わる様々な人々の協力が得られることで、生物多様性が保全され、環境教育プログラムも提供できるようになるなど、多面的な公園の魅力を向上させることがわかりました。

そして、ログウッドボイラーが市内に普及した場合のCO2の削減効果を算出する予定です。このような将来展望を受けて、エコミュージアムWGでは、CO2削減を含む、複合的な効果があがるシナリオを具体化していくことになります。

京都市が管理する公園で、率先してCO2を削減する意味は大きく、他への波及効果も大いに期待できます。また、大原野森林公園で、次々と新しい事業やイベントを生み出すことができるリーダーシップを取れる団体、すなわち我々エコミュージアムWGが、どのように関連団体と連携していくかがこの事業の成否を握るということも再確認されて、大きな期待で身の引き締まる思いです。年度末に出る報告書に期待してください。

●エコミュージアムWG 2004年度活動報告

エコミュージアムWGでは、平成16年度も引き続き大原野森林公園での活動を中心にし、主に下記3つの活動を行いました。

■公園の展示ポスターの作成

公園内の施設である森の案内所に張るA1版の展示ポスターを10枚作成しました。公園の東尾根、西尾根ルートにおける四季の見所紹介や、周辺地域の案内、公園で行っている炭焼きの説明とともに、近隣集落の外畑(とのはた)、出灰(いずりは)という山里の、伝統的な環境負荷の少ない生活を、農事暦などを使ってわかりやすく解説しました。

■紹介ビデオの制作

十数分間のビデオでは、公園内の動植物や炭焼きなどをとりあげ、小学生にもわかりやすい内容を心がけてつくりました。

■公園を対象とする木質バイオマス調査

連携団体とともに経済産業省のバイオマス等未活用エネルギー事業調査補助事業を受けて、「多様な主体の協働による汎用性の高い小型ガス化システム導入事業化調査」を行い、植生調査、ボランティアによる丸太の集材実験、丸太をそのまま燃料として燃やせるドイツ製のボイラーの導入可能性の検討、CO2の吸収効果の算出などを行いました。この調査により緻密な基礎データを蓄積し、丸太ボイラーの導入が適切なことがわかりましたが、導入のためには、今後関係団体間での調整が必要です。